非鉄金属専門商社金属屋根メーカー

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平成24年12月3日号

第384号

 いよいよ本年も残すところ30日を切りました。今年は衆議院選挙が加わり余計に慌しい月になりそうです。その選挙のことになりますが、小さな政党が雨後の筍のごとくニョキニョキ出てきて、なにやらさっぱり判りません。本命が不在で過半数の信頼を勝ち取る政党がありません。第1党になったところを中心に連立内閣が組まれると考えられ、どのような政変劇が展開されるのかまったく予想が出来ません。誰が首相になろうと劇的変化はないと思いますが、政党の有為転変の渦中にあって錬金の術を発揮してきたあの方が再び登場することだけは勘弁して欲しいと願っています。
 魁ニュースの375号でわが国の未来を憂う小論文を紹介しましたが、民主主義社会で投票は国民が主義主張する貴重な機会です。大衆に迎合する政治屋を排除し、真のリーダーを選び出す貴重な機会です。皆様の賢明な義務の行使をお願い申し上げます。
最後になりましたが、皆様から賜りましたご愛顧に、心より厚く御礼申し上げますとともに、明年も変わらぬご鞭撻ご指導を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

平成24年11月1日号

第383号

 金木犀が中旬ごろほのかな芳香を漂わせたものの、印象も薄く終わったものと思っていたら、4~5日前から又香りはじめ花もたくさん咲いている。まるで2番煎じのお茶を味わうような変な具合で、このようなことは初めてである。萩も2度咲きをしている感じで、ここのところの気温の影響によるのだろう。朝夕は冷え込みが強く、日中は気温が上がる日が続いていて、このような年は紅葉が美しく色づくというから、楽しみである。
 今年も年末までふた月となり、改めて月日の過ぎる速さを思う。今年は何をしたか振り返っても、これと言うものが浮かばない。夏はどうだったかな、春はどうだったかなと遡るほどに忘れていて、何も浮かんでこない。年のせいで忘れることだけ達者である。毎日平々凡々だった証かもしれない。
 今年は台風の被害も少なく、大地震もなかったからありがたいことだが、景気はパッとせずボーナスも去年より少ないところが増え、懐も寒い年の瀬になりそうである。
 インフルエンザの予防注射が始まっています。受けておくほうが良いと思います。朝晩は冷え込みが強く、鍋料理に熱燗が恋しくなってきました。風邪を惹かれぬようご自愛ください。

平成24年10月1日号

第382号

 17号台風が近畿から東北まで縦断したが、昨年のような大きな被害もなくすんで一安心しました。農作物の収穫の時期ゆえ更なる訪問は固くご辞退しましょう。
10月1日は何の日? 10を英語読みでten,1を棒と見立て、展望の日すなわちタワーの日なんだそうです。大阪の通天閣は今年で100周年を迎えたそうで地元では盛り上がっているようです。10月1日はこのほかにもさまざまな記念日になっています。コーヒーの日、日本茶の日、磁石の日、醤油の日、都民の日、はんこの日、土地の日、日本酒の日、眼鏡の日。デザインの日、国際音楽の日、浄化槽の日、赤い羽根の日、国際高齢者の日、福祉用具の日、ネクタイの日、香水の日などなど、政府省庁や業界団体などが設定したものですが数の多いことに驚きます。記念日にする歴史的裏付けから設定されたものより,十と一をN極プラスS極マイナスに見立て磁石の日にするようなこじつけに興味を覚えますね。明日10月2日は何の日でしょう?これはすぐに判りますね。では10月3日は?10月4日は?10月8日は?10月9日は?10月10日は?考えてみてください。面白いですよ。
 領土問題が中国韓国との間にあり、さまざまなトラブルが発生している。アメリカは傍観者の姿勢で調停役を避けているから、白黒をつけることはむつかしい。ここは両者がともに冷静になって紛争にならないよう周恩来首相が言った『ここはしばらく棚上げにして置きましょう』とするほうが両国のためにも望ましいのではなかろうか。それよりも我々が心せねばならないことは、日本の力が落ちて行き、なめられて屈辱的思いをするようなことにならぬよう何をすべきか考え実行していくことであり、猶予を許されぬ喫緊の課題である。

平成24年9月3日号

第381号

 9月1日防災の日にマグニチュード9.1の南海トラフ地震が発生した場合の想定被害が発表された。東日本大震災のおよそ20倍に及ぶ死者、家屋の全壊、焼失の数字に戦慄を覚える。直面したとき果たしてうろたえることなく冷静に行動できるか不安である。やはり普段からの訓練や心構えと備えが必須である。最近(防災納戸)がよく売れているそうである。倒壊の心配がある木造の場合、屋内に保管していたのではいざというときに取り出せないことがありうる。その点外においておけばすぐ活用できる。非常に役立ちそうなものを整頓して保管しておけば心丈夫である。日本で缶詰のパンを開発した人がいる。パンの生地を缶詰にいれ缶を焼くと缶の中のパンはふわふわの食味で3年持つという。さらに素晴らしいことは賞味期限3年が切れればその処分が厄介であるが、2年を過ぎたものは引き取り、緊急救援物資として諸外国に提供して喜ばれており、缶もふちを丸くしてあるので食器がわりに使われているそうである。保存食といえば乾パンだったが、ふわふわのパンにありつけるなら惨めな思いも救われるというものである。自治体も備蓄するので、今このパン屋さんは生産に大童で工場も増やしている。アイデアで新しいマーケットを開発した素晴らしい話題である。防災納戸にさまざまな非常用の備品を用意しこのパンの缶詰も加えておけば、いざというとき落ち着いて最小の被害で済ませることもできよう。地震は予知が難しく突然襲ってくる。しかし、科学の進歩で予知が可能になる日がやってくると期待したい。前兆をキャッチする能力を世界に先駆けて持つチャンスに日本は恵まれている。その為には政府の後押しが必須である。

平成24年8月1日号

第380号

 九州地方に大きな水害を齎した暴れ梅雨を最後に、梅雨明けし猛暑が連日日本列島を覆い体調を崩す方が増えています。体調管理にくれぐれもご注意なされますようお祈り申し上げます。
 1896年にギリシャのアテネで第1回大会が開かれ今年のロンドン大会は第30回目にあたります。平和の祭典の理念の下再現したオリンピックですが、国を挙げて国威発揚を目指すようになり、政治問題が大きな影響を及ぼしているのもオリンピックの歴史の一面です。1936年のベルリンのあと1940年に東京で開催されることになっていたが、1937年に盧溝橋事件で始まった日中戦争が激化し余裕のない政府が返上します。IOCは日本に次点で敗れたフインランドに決め直しますがソ連軍が侵攻してきて中止になり、1944年に決まっていたロンドンもドイツがポーランドに侵攻し、第2次世界大戦が始まり中止になります。東西冷戦も開催に影響を与えました。1979年にソ連軍がアフガニスタンに侵攻したのでアメリカが1980年のモスクワ大会ボイコットを決め西側諸国に同調を求め、日本も不参加を決めました。1984年のロサンゼルス大会は東側諸国が意趣返しに不参加を決めました。政治問題が絡むのは避けられないようです。しかし、開催地になることをバネにして、経済成長してきた日本韓国中国のようにオリンピックの開催国になることを目指す国が増え、誘致作戦も激化しています。2016年大会はブラジルのリオデジャネイロに決まっているが2020年大会は9月に決まります。名乗りを上げ候補地として残っているのはイスタンブール、マドリード、東京の3都市だが果たしてどこの国が開催国を獲得するのか興味深いことです。
 ロンドン大会は時差の関係で日本では28日土曜日の早朝に始まったので、多くの方が開会式を見られたと思います。地球儀を傍らに置き入場行進を見たが、初めて聞く国の名も数多くあり、地球儀を回し続けました。各国の旗手の右横に銅製の花びらのようなものを抱え行進するのが目に付きましたが、その意味や何に使われるのか判らず不思議に思っていました。国旗が丘に立てられるのは画面に出ているが気になる銅製のものは出てきません。選手団の入場が終わっていよいよ聖火の入場です。7人の若人の持つ聖火に移され会場中央に来たとき、そのとき、初めてあの銅製の花びらのように見えたものを眼にしました。聖火から点火された無数の花びらが垂直に立ち上がり一つの大きな聖火になったその瞬間感動の声がどよめきました。まことに心憎いほど見事な演出、今までの大会にはなかった素晴らしい聖火の点火でした。一つ一つの花びらの形も違い、参加国の国名も刻まれていますから、多分、大会終了後参加国のIOCに記念品として贈呈されることになると想います。
 12日の最終日までさまざまな種目で熱戦が繰り広げられ、テレビの観戦に力が入りますが、ほどほどにして寝不足などで体調を崩されませぬようご自愛をお願い申し上げます。

平成24年7月2日号

第379号

 梅雨の季節に入り、緑陰も濃くなり、菜園の成長も目覚しい。晴れた日は少々蒸し暑くなるが、夏本番はまだまだこれからである。折りしも関電大飯3号炉が再開し、停電率が改善され一安心である。現在停止している原発を全て再開させないのは現実的なこととは言えず、安全性を重視しながら運用し、徐々に他の発電に切り替えていくほうがベターだと思う。もちろん新設はしないで将来は原発がゼロになるよう推進していくべきことは言うまでもない。
 6月中旬、エーゲ海クルーズに加わり、今話題のギリシャに行きました。カラカラに晴れた暑い地中海気候で日中は35,6度まで上がり、紫外線の強さに驚きました。6,7,8月の間は雨がほとんど降らず、その上石灰岩の多い土質で、植生には不適で森林があまり見られません。農地は乏しくオリーブとぶどうの栽培が目立ちます。3000余もある島も多くは無人で不毛、穀物は黒海周辺の国からの輸入に依存する割合が古代から高かったようです。ガソリンは180円、失業率は正規雇用者に絞れば25パーセントどころではないそうです。財政緊縮のあおりで年金受給者に保障されていた60パーセントの支給率も切り下げられ、現役の給料もどんどん下がる一方で1,000ユーロあればましなそうです。公務員の多いことが報じられていますが、国会議員が選挙民に媚びて、縁故採用を重ねたことが今日に至っているそうです。世界遺産が多く観光収入の依存度が高いので、世界景気の後退の影響が深刻だと言われています。アジアのメソポタミヤ文明やエジプト文明を採り入れ紀元前5世紀に繁栄の極にあったギリシャ文明は紀元前4世紀半ばにローマ帝国に敗れその勢いは衰えていきます。ヨーロッパ随一の先進国だったギリシャが今、EUから厄介者扱いされているのは有為転変の世とはいえまことに皮肉なことです。
 私たち日本人が住むこの国土は地政学的にはきわめて恵まれており、祖先より受け継いできた気質も優れ、いったんは焦土と化したが見事復興をなしました。歴史的に見れば現状は繁栄の極といえるかもしれません。それだけに、今、我々はただ流されているのではなく、未来を見つめ変わっていかねばならないと思うのです。誇れた物作りの技も海外に掬われやがてギリシャ同様輸入に依存することになりかねません。その流れを変えるには政策が大事になります。国民に媚びる政治家が国を滅ぼす最大要因であることを我々は学習しました。今の議会制民主主義では我々が政治家を選ぶことになっていますから、政治の貧困は偏に我々の責任だと言うことになります。

平成24年6月1日号

第378号

 5月30日、野田首相と小沢氏の会談が行われたが、話は平行線でかみ合わないままだったことが、その夜、9時のNHKニュースセンターに小沢氏が登場しキャスターの質問に対する彼の主張を聞いてわかってきた。小沢氏は民主党政権を国民から預託されることになった選挙前の公約即ち中央から地方への分権などの政治改革、社会保障制度の見直しなどの実行に注力すべきだ。消費税の引き上げはまったなしで、このまま放置して、日本の財政状態を悪化させるままにすることは許されないという野田首相の考えに対して小沢氏はマニフェストは党が全員で決めたこと、消費税増税は党内に多数の反対がある中で多数決で決めたこと、どちらが重いのか。政治改革はなかなか一挙に進まないことは理解しているが、今はこれに注力すべきで消費税増税はその後のことだ。その時間的余裕はあると言う。野田首相はまず消費税の増税で日本の財政再建へ取り組む姿勢を海外に示し、政治改革を進めようと考えている。どちらが正論なのかわからないが、一向に何も決まらず、実行されない政治は御免蒙りたいと思う。しかしこれも良く考えてみると国会のねじれ現象が足を引っ張っている事に根因があるので、咋今マスコミで二院制度の是非が論じられている。二院制でない国は多数有り、わが国も参議院を廃止、衆議院一本にしたほうが、国民も真剣に選挙に関心を持つようになり、また、国費の削減にもなると思う。しかし、憲法の改正を必要とすることなので実現は簡単なことではない。
 中国の高度成長にもかげりが見え、ユーローを取り巻く信用不安もつのり、国際商品相場も沈静化しだした。緊縮財政一辺倒では景気が落ち込むから成長政策も必要であろうし、その舵取りはなかなか難しい。銅価も年初来安値に下がるのは時間の問題であろう。
 季節はいよいよ入梅、蒸し暑く不快指数が高まる。節電も避けられず、暑さに負けず体調を崩されないようご自愛ください。

平成24年5月7日号

第377号

 青葉、若葉の鮮やかなそしてさまざまな緑に眼が洗われ、心が潤うように思えるゴールデンウイーク、皆様はいかがお過ごしになりましたか。残念ながら竜巻や落雷が北関東を襲い、北アルプスで遭難者がでるなど荒れた気象でしたが、関西では唯一、5月5日の子供の日は薫風に心地よげに鯉のぼりが泳ぎ、暦の立夏がぴったりくる好天でした。
 魁ニュースNO174号でご紹介したことがありますが、ラビ・バトラーという名前にご記憶が有りませんか? 約40年前に全体主義共産主義社会の崩壊を予測し的中した在米インド人の経済学者です。彼は循環論者で資本主義社会も20年以内に崩壊し、新しい社会制度に取って代わると17年前に予測しているのです。自然の営みは全て循環しているように、社会の営みの循環も必然のことと捉える彼の説には説得力があります。
 今日、先進資本主義国はなべて国家財政の程度の差はあれ赤字を抱え国債で補い、わが国に至ってはGNPの2倍、ギリシャを上回る借金王国です。経済の競争力はまだ残っているとはいえ貿易赤字国になる懸念も芽生えてきました。米欧には高い失業率、貧富差の拡大が問題になってきている国が増えてきています。金利を低くして投資を刺激し景気回復を見込む金融政策も機能していません。株式市場が一時上昇を見せたものの最近は閑古鳥が鳴いています。先の見通しがまったく立たない閉塞感に動きようがないといったところでしょうか。年金基金組合が運用金利の高さに騙され虎の子を失うとか、分配型投信に老後の生活資金を投じたが元金が分配される蛸足配当で儲けているのは管理と運用の手数料を得ている証券会社のみ、情けない話ばかりです。これらのことは資本主義体制がまさしく揺らぎ始めた現象の一部だと考えられます。
まだまだこれから先、社会体制を揺るがす大きな問題が発生してくることでしょう。
 自然の循環と同じように、世の中は変わっていくものと心得、忍耐、寛容、感謝の心で、お釈迦様が説かれるように「なるようになるのがこの娑婆だ」と達観し余計な心配をしないほうがためによいのかもしれません。

平成24年4月2日号

第376号

 待ち望んだ春が訪れ、プロ野球も開幕し、桜が野山を彩る。草木の芽吹く新緑がやさしく、心も膨らんでくる。新年度に入り、社会人としてスタートを切る若人にも祝福と声援を送りたい。忍耐強く頑張れと。
 消費税増税をめぐり、政局が混乱を極めている。世論調査によると国民の過半数が消費税増税は止む無しと考えているにかかわらず、野党はおろか、与党の何人かの賞味期限の切れた政治家が何かと難癖をつけ、足を引っ張る言動をしている。
 税収は予算の半分に未たず、国債の発行残高は毎年増え続けGNPの2倍に及んでいる。人口減に伴う経済力の低下、老齢化による貯蓄の減少もある。国民にパンとサーカスを振舞い財政力を落とし衰亡したローマ帝国に学べば、いまこそ日本の政治は国民と危機感を共有し、国民を啓蒙する勇気と行動を示して欲しい。選挙民にこびるような弱腰の政治はむしろ迷惑だと思う。
 ギリシャが放漫財政による国債の乱発から破綻し、ユーロ危機を齎したが、欧米のメディアはこの国の徴税能力、国民の納税義務の感覚の欠如が致命的だと指摘している。『脱税は国民的な娯楽なのだ』と富裕階級は脱税の悪知恵を絞り、税務当局はその摘発に多大の人件費と時間を投入している。国家の統治が信頼され同胞がみな同じように納税しているとすれば、脱税をゲームだと国民は考えないはずだ。収入が減れば支出を減らし家計を維持し家庭の破綻を防ぐ。収入の2倍を超える支出が永遠に続く家計などありえない。日本はギリシャほどではないが破綻の可能性は決して低くない。破綻を未然に防ぎ国民から信頼される統治にいま何が必要か政治家は挙って真剣に取り組んで欲しい。まず消費税を上げ、さらに行政の冗費削減など支出を見直し,平行して、景気対策にも効果が期待できる社会インフラの補修を推進して欲しい。足の引っ張り合いをゲームのごとく愉しんでおられては迷惑なのだ。

平成24年3月1日号

第375号

 三寒四温の季節、寒気の戻る日もあるが少しずつ春の気配が濃くなって来ました。今年は冬の冷え込みが例年になく厳しかったため梅の開花が約2週間遅くなりこれから中旬にかけて見ごろを迎えます。エルピーダが会社更生法の申請をしました。韓国との価格競争に負けシェアを落とし巨額の赤字を出しました。テレビの売り上げが大きい弱電各社も大幅な価格下落に赤字決算になると報じられ、産業構造の変革が如実に現れてきています。
 文芸春秋3月号に1975年『グループ1984年』が執筆した論文[日本の自殺を憂う]が再掲されています。それは高度成長を遂げ、繁栄を謳歌する日本に迫る内部崩壊の危機に警鐘を鳴らすものですが、日本の自殺がかつてなく現実味を帯びてきている昨今、予言の響きを持つこの書を是非皆さんに読んでいただきたいと思います。経済競争力の低下、企業は海外へ生産拠点を移し、貿易赤字国になり、子殺し親殺しなどが紙面をにぎわす社会の病理現象、情報の過多が齎す副作用の数々、ぼやきの種は尽きません。
本来の民主主義とは異なる擬似民主主義の権利ばかり主張し、義務と責任は出来るだけ拒否する結果、権利と言う言葉は身勝手や利己主義と同義語のようになって責任は他へ転嫁する。国民は政治屋の大衆に迎合した甘い言葉にだまされ国会へ送り出し、埒も明かない茶番劇に怒り、失望、諦めの毎日、真に日本の未来を見据えリーダシップを発揮するリーダーの登場を渇望しているが、足を引っ張りあら捜しをマスメディアも一緒になってしているのが現状であります。この論文は自殺へ向かう日本を救うため、諸文明の没落の歴史から五つの教訓を引き出しています。第1は消費者も、労働者も、政治家も、経営者もエゴを自制する。第2に自らのことは自らの力で解決する自立の精神と気概を持つ。第3に指導者は政治家であれ、学者であれ,産業人であれ誇りと責任を持って言うべきことを言い、なすべきことをなす。第4は年上の世代は年下の世代にこびへつらわず、鍛え育てていかねばならない。第5は人間の幸福や不幸は決して賃金の額や年金の多少、物量の豊富さなどによって計れるものではない。欲望の肥大化から解放されることである。
 この五つの教訓を読み、私は自分が育った昭和10年代のことを思い浮かべました。当時の日本は西洋先進国に伍して、極東の雄になるべく国力を高めるため軍事力の増大を図っていました。これを抑えようとする勢力と衝突し戦争が始まりました。事の善し悪しは別のこととして、当時の日本は戦争に勝つことが目標の全てでした。決して豊かでなく貧乏な国が切羽詰まって始めた戦争です。権利も自由も国民にありません。思想の自由もエゴも完全に抹殺されました。戦争に勝つためには国民は何をすべきかで統一され、教育も、産業もあらゆるものが軍事一色に染まりました。赤紙1枚で徴兵されたくさんの家庭が崩壊の憂き目に会いました。戦争が終わって初めて平和、自由という言葉を知り実感もしました。それから数十年、想像も出来なかったことが実現する豊かさを得ました。しかし、もはやまたそれを失いかねない危機が忍び寄ってきています。今日の日本人がなくしている上記の五つの教訓が私が育った戦中の日本にはありました。だからといって国際社会と調和しない全体主義を肯定するものではありません。我々は2度と同じ過ちを繰り返してはならないのです。しかし、自由と権利を振り回し、国には一層の福祉を求め、エゴイスチックに富を追い求める風潮が覆う今の日本のありようには悲しいかな明るい未来が見えてきません。ギリシャのつぎは日本だと言われているのです。自由と権利には責任が伴うことを自覚し、良きリーダーを得てこの国が沈没しないことを願うのみです。予言の書とも言えるこの論文にご興味をもたれた方は今ならまだ書店の店頭にあると思いますので文芸春秋3月号でご一読されますようご案内申し上げます。


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平成24年2月1日号

第374号

 今年はいつもより梅の開花が遅い。1月後半の低温が影響しているのかもしれない。
テレビのニュースで見る東北や北陸地方の豪雪にはただただ驚くばかりである。除雪作業も大変で危険と隣り合わせ、一日も早く寒気が緩んで欲しいと祈るばかりである。私が育った福井県も結構積もるところで、冬を迎えるころになれば家のまわりに雪囲いを立て、少し大きな木は雪吊をして枝が折れないようにしたり積雪に備えたが、屋根に50センチも積もると雪下ろしが大変で道路に落とした雪を排水溝に流したり、人やそりが歩みやすいように均す作業に汗を流したものである。今は車が走れるように重機が道路の除雪作業をするが屋根の雪下ろしだけは人力によるしかない。老人や子供には無理な作業で下手をすると命を落としかねない。暦の上では立春もすぐそこに来ているので今がピークかもしれないが、早く雪解けの日が来て欲しいものである。

今、イランの動向が気にかかる。原爆開発の推進を阻止したい他国の干渉にホルムズ海峡封鎖も辞さずとしているからである。ここが封鎖されタンカーの運行が止まるとイラク、サウジアラビア、アラブ首長国連邦など産油国の石油や天然ガスの輸送もとまり、世界経済に深刻な影響が及ぶからである。最悪の事態になることはないだろうと楽観したいが心配である。

平成24年1月5日号

第373号

 新年明けましておめでとうございます。旧年中は一方ならぬご鞭撻を賜り誠にありがとうございました。なお、本年も倍旧のご愛顧ご指導を賜りますよう慎んでお願い申し上げます。
 昨年は3月に東日本大地震が起こり、関係者が想定外と言う原発のメルトダウンが発生し、いまだに多くの人が避難生活を強いられ、生活基盤を取り戻せない方々が多数おられます。9月には台風12号に伴う土砂流災害が奈良、和歌山を襲いました。8月にはタイの大洪水で日本から進出している工場が多数浸水し、11月に入り水は引いたものの本格的な生産活動にもどるまでまだ数ヶ月かかるところもあるとのことです。自然の気象が過去のものより厳しく激しい原因の一つに地球温暖化があげられています。着々と進む温暖化にブレーキをかけるための国際会議も各国のエゴが先行し、有効な対策が打たれない状況から、自然のバランスが崩れていく事は避けられず、さまざまな災禍が人類を襲うことがますます増えていくと懸念されます。想定外とは人間が考える範囲を決めてしまうとその外側については考えなくなるということです。考えていなかったことに直面するとどうすればよいか知識も経験も持ち合わせていないので、なすすべも知らず呆然とするばかりになります。
しかし、不時に備えている範囲で発生したことなら、速やかに対処でき、被害を最小限にとどめることが可能になります。従って、まさかという範囲をひろげてさまざまな準備や対策を立て、反復練習をしておくことが大切になってきます。これは家庭にも、職場にも、自治体にも、国にも、全てに言えることです。金儲けにかまけ、不時の備えができていなければ取り返しのつかないことになる
事を、私たちは原発事故から学びました。私たちも家庭や職場で話し合い、不時の備えに正面から取り組みたいと思います。
 昨年7月、なでしこジャパンがワールドカップでドイツやアメリカの強豪チームを奇跡的に破り優勝しました。勝負を決めたゴールの場面が今も鮮やかに思い浮かんできます。今年の夏、開催されるロンドンオリンピックでふたたびあの感激が味わえたら嬉しいですね。景気についてはEUの財政不安が重くのしかかり、まだまだ予断を許しませんが、今以上に悪化せず徐々に落ち着いていくと期待します。日本の株式市場も辰年は過去上昇することが多く、割安感から海外資金も入り徐々に上向くことが期待できそうです。銅市況は需給見通しからすると強気です。
 平穏無事な1年でありますよう祈り、前途に希望を持って歩みましょう。最後に皆様のご健勝、ご多幸をお祈り申し上げ新年のご挨拶といたします。