非鉄金属専門商社金属屋根メーカー

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平成19年12月3日号

第324号

 師走に入り、今年も残すところ僅かになってきました。北海道や東北は銀世界になり、北陸も時雨れる日が続き、反対に太平洋側は空気が乾燥して風邪が蔓延してきているようです。インフルエンザの予防注射をうけることも良いことでしょうが、手洗いとうがい、それに充分な睡眠が、なにより大切と思います。
 来年は年号が平成に代わって20年目になります。昭和天皇が亡くなられた年に生まれた子たちが、成人式を迎えるのです。年月の移り変わりの速さに、一入の感慨を覚えます。
 この20年のあいだに、日本の風景は大きく変わったと言えましょう。人口の老齢化、地方の過疎化、所得分配の格差化、基礎学力の低下、いずれも感心しないことで、放置できない由々しきことです。今のままでは日本の国力は落ち込む一方で、二流國になる恐れがあり、国民が認識を新たにし、こぞって対策に取り組まなければ、大変なことになることは明らかです。選挙民の顔色ばかりうかがって、政治理念が説けない政治屋にリーダーシップは期待できません。国家の命運に命を掛ける政治家が、今の日本に欲しいのですが、我々の眼が曇っているのか、残念ながら、実行力を伴った人を未だ見出し得ていません。遅々として進まぬ有様に、焦燥感を覚えます。
 大国アメリカ経済がサブプライム問題を契機にして変調をきたし、ドルの信頼性が薄れ、世界の基軸通貨としての地位が危なくなってきました。ダントツの軍事力とドルの力で、世界の秩序を取り仕切ってきたリーダーシップにも、陰りが見えはじめました。一時は落ち込んでいたロシアの復活、中国の台頭、ユーローの拡大などにより、一極集中から多極化の方向に動き始めました。世界は混沌、複雑化する時代に入り始めたようです。戦後久しくアメリカの傘の下、平和と繁栄を享受して来た日本ですが、国内に抱える諸問題への対策に一日も早く取り組み、世界の潮流の変化のなかで沈んでしまわないよう願わずにはおれません。
 最後になりましたが、今年も格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございました。皆様のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げ、併せて、新年も倍旧のお引き立てを賜りますよう伏してお願い申し上げます。

平成19年11月1日号

第323号

 秋と言えば紅葉だが、今年の見頃は平地では下旬頃になるらしい。何年も前のことになるが、白山スーパー林道をドライブした折に目にした、全山錦織なす鮮やかな美しさは、今も焼きついている。10月10日頃行ったのだが、ずれ込んでいる今年でも、もう見頃は過ぎているだろう。興味のある方は、又の機会に、金沢か小松から白山スーパー林道に入り合掌作りで有名な白川郷へ車を走らせられたら如何でしょう。逆のコースでも良いでしょう。お薦めです。
 17年半ばから始まった銅価格の騰貴は2年を越した今も続き、下落を待ち望む期待も裏切られ続けている。トン25万円が長かったことを知っているので、今の水準は高すぎると思っている。しかし、ここ1,2年に業界に入った若い人は100万から80万円台になったら下がりましたねぇと言う。どちらの感覚がずれているのか判らなくなってきて、中を取って60~70万が安定価格水準なのかなと考えたりする。ここ数年マーケット構造が著しく変わったことを合わせ考えれば3年前の価格は遠い遠い昔の事になっているのかもしれない。
 伸銅メーカーが先月より加工賃を引き上げてきました。当社も受け入れざるを得なく、材料原価のアップは100%コストアップに繋がり、その他ダンボールケース等の梱包資材も値上がりし、苦慮しているところであります。しかし、諸般の情勢を考え、現行価格表どおりお願いして参りますので、何卒変わらぬお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

平成19年10月1日号

第322号

 いつもの年なら狂い無く咲いた彼岸花が今年は残暑の影響からか、1週間ほど遅れているようですが、皆さんの所では如何でしょうか。今年も残り3ヶ月になり、年度後半に入りました。月日の経つ早さをあらためて思い知ります。 タイガースファンには失望の9月になりましたが、プロ野球も大団円をむかえたようです。巨人や中日のファンにはもうしばらくヤキモキする日が続きますが、トラキチにはもう今年は済んでしまったような気分です。ワクワク、ドキドキすることが無くなると寂しくなります。
 アルミやステンレスの相場はやや軟調に転じましたが、銅は8月120円下がる局面がありましたが、9月は一転反騰、120円も値上がりし、相変わらず高い相場を維持しています。高値が長く続きますことは決して好ましいことではなく、需要減に繋がる心配があり、まことに困ったことです。その上、メーカーから諸資材高騰などコストアップによるロールマージンアップの要請もあり、実に悩ましき状況になってきております。私どもとしては、供給責任の遂行に支障を起こさぬ様、一層の努力を重ねますので、一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

平成19年9月3日号

第321号

 暑くてとても長く感じる8月でした。記録的な猛暑が全国を覆いました。熱中症で体調を崩す人、亡くなられた人も数多く出ました。9月に入ってようやく平年並みに戻ったようでやれやれです。
 8月にアメリカでサブプライム金融の破綻が発生し、世界の株式市場が全面安になり、その影響は商品市場にも波及して、お盆明けには円高の影響も加わり、銅建値が一挙に120円も下がる場面がありました。その後沈静化して元に戻りつつありますが、原因が解決したわけではなく、まだまだ予断を許さず推移に注目が必要だと思われます。
 第2次安倍内閣の農相がまたもや辞任とか、相変わらず喧しいことである。国からの補助金目当ての詐欺行為は日本人全体のモラルの低さを象徴するもので、われわれも大いに反省しなければならない。金がついて廻ることになると、人間誰しも欲が出るが、度を越すといけない。しかし、皆がしていることで当たり前のことだとなると、度を越していることをいつの間にか忘れ、気がついた時は収拾がつかなくなってしまっている。誰しも似たような体験を持っていることではなかろうか。私も『他山の石』とせず自省しなければならないと思うのです。

平成19年8月1日号

第320号

 参議院選挙は民主党の大勝になり、小泉、安倍の改革路線にブレーキが掛けられたようである。小さな政府, 官から民への業務委譲、中央から地方への分権委譲などを粛々と進めてきていたのだが、改革には抵抗も当然あり一朝一夕には出来ないこと、忍耐と根気がいるのだが、年金問題、閣僚の失言、政治家の活動資金の不透明など国民の信頼を失うことが多すぎたから、政権交代を期待する票が増えたのは当然かもしれない。
 しかし、小沢民主党の公約には選挙向けと割り引いても、首をかしげるものが多くある。たとえば高校の授業料免除や農業補助金、根拠を確かめないと即断すべきではないが、昔の自民党のばら撒き感覚を引きずっているように思える。いずれにしても政権闘争が改革を遅めたり後退させることでなく、日本の未来に希望が持てるように切磋琢磨し、羅針盤のない漂泊船日本丸にはしてほしくないと願うばかりである。
 蛇足だが、お粗末な大臣がめだっているが、これは日本人の資質が昔に比べて落ちていることの証ではないかと思うのである。人材が少ないから2世や3世の議員が増えるのを許し、将来を託すに値する人材を国会に送り出せていないのは、いつに我々国民の責任ではなかろうか。グローバルな激動の世界に視野を広げ、日本の進むべき道を見失わないよう、日本人一人一人が考えもっと勉強しなければならない。選挙の時に言われる公約の適否を見極め、選良を定め棄権をしないことが、その第1歩だと思う。

平成19年7月2日号

第319号

 年金の杜撰な事務管理が明るみになり、選挙戦の論争にもなっている。此れはこれで公正にされるべきことだが、定かな金額は明らかにされていないが、おそらく膨大な年金基金を今日まで如何に運用してきたかもこの際国民は知りたいはずである。推測だが多分政府は出鱈目な運用を行い、国民の貴重な財産を減失してきているはずだ。収入と支出のバランスが崩れて来た為、支給開始年齢を繰り下げ、料率を引き上げるなど弥縫策を繰り返しているが、年金基金で全国に赤字経営の施設を作り、貴重な国民の財産の無駄使いを重ねてきた責任は無視されている。フィンランドは僅か500万人の人口だが政府年金基金は34兆円を運用している。国民一人当たり680万円、日本の人口1億2000万人にすると816兆円になる。はたして日本の実態はどうなのか。どれだけあってどのように運用されているかを明らかにしてほしいものである。
 日本の外貨準備高は中国に抜かれたが、最近中国が外貨準備運用機関を作り、30億ドルを米投資ファンドのブラックストーンに出資して世界を驚かせたが、外貨準備や国庫収入を特別の国営会社を作り運用させる動きが産油国などでブームになっているそうである。実績があり信用度の高いファンドに国家の資金が入ってくる、言い換えれば国がマネーゲームに関わって来るようなことになってきている。より高い運用利回りを求め、想像を超える巨額な資金が、世界中を駆け巡る時代になっている。ファンドマネーが最も活躍する場は株式の世界だが、M&Aが巨大化しているのもファンドマネーに入ってくる資金量が膨大になっていることを裏付けている。ファンドマネーのため、なかなか下がらない非鉄相場にも泣かされるが、このような動きはこれからどのように展開していくのだろうか。

平成19年6月1日号

第318号

 新緑が深まり、茂みが木陰を拡げ、それを辿るように陽射しを避けて歩く季節になりました。間もなく本土も入梅宣言がされるでしょう。屋外で作業する人には天気予報がとても気になります。昔と違ってとても正確ですから頼りになります。プロ野球の試合も、きめ細かい正確な予報のお蔭でグランドの整備が出来て、流れるゲームが少なくなっています。目下、交流戦の最中、伯仲した試合が多く、応援にも力が入ります。
さて、ご商売は如何でしょうか。かなり低調に推移しているような感じがします。談合に対する厳しい糾弾も続出し、建設業界を取り巻く状況は一段と厳しくなっています。美味しかった公共投資が減っている上に、受注競争が激しく、生き残っていくのが容易でなくなってきました。人口が減少していく時代を迎えたのですから需要が減るのは当然のこと、この流れは続くものと受け止め、これからの経営を考えねばならないと思います。
 皆様のご健勝とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。

平成19年5月7日号

第317号

 5月1日はメーデー、労働組合の祭典の日であるが、1960年代の頃とは昔日の感がする。参加者も少なく、雨が降ったら尚更である。安保闘争華やかなりし頃はデモ行進の長蛇の列が続き、警察も総動員体制をとり緊張したものだが、豊かで平和な今日の日本では過ぎ去った昔の風物詩のひとつになってしまったかのようである。
 好季節に纏めて休みが取れるこの時季は、家族旅行を愉しむ家庭が増え、今年も海外旅行に出る人が大幅に増えたことだろう。戦後生まれた団塊の世代も大方そうだと思うが、子供の頃家族旅行をした覚えのある人は極めて少ないのではないだろうか。日本中がまだそれだけのゆとりが無く、日々の暮らしに追われていた上、土曜日も仕事、正月と盆休み以外には連休も1年に1,2度有るか無きかで纏まった休みは取りにくく働き詰めだった。だから年に1度の祭りにお小遣いを貰って何に使おうか道々考え、アセチレンガスの匂いをさせて並ぶ屋台の店をのぞくのが楽しかった。今の子供たちは普段からお小遣いをもらっているから、私たち世代の年に一度の楽しみは毎日で当たり前のことになっている。年に一度の楽しみが祭りから海外旅行に変わっていると言っても良いかもしれない。日本が豊かになった証で、子供の頃には考えられなかったことが出来る世の中になった感慨をおぼえる。
 しかし、幸福感の観点から考えると、貧しい時代に育った子供と豊かな時代に育った子供の間に違いも差も全く無い。むしろ貧しい時代に育ったものの方が、向上する場面に多く出会って幸福感を味あう機会が多いのではないだろうか。幸福感というものは質や量のことではなく個々人の感性が差配するものだから、飢餓や病に苦しむ世界の子供たちにもあるものだ。今日の日本は物質的な面では最も恵まれた国になっているが、精神的な面においては、個人主義が強まり荒んできている。人口が減り老齢化が進み,富の分配の二極化も進んでいる。年金制度も国の財政破綻に危機に瀕して頼りにならないものになってきた。まさしく『峠の坂道』を少しずつ下がり始めている。物質的な豊かさを追い求める時代は過ぎ、精神的な豊かさが何なのかを考え求める時代になってきている。教育問題や憲法改正など話題になってきているが、これらのことを考え、意見を交わすこともこれからの日本を考える上で大切なことだと思う。

平成19年4月2日号

第316号

 新しい年度が始まる4月、期待と不安に胸躍る若人に、新しい旅立ちに幸あれと心から応援の拍手を送ろう。新しい友との出会い、教師や先輩との出会いが齎してくれる刺激が成長の糧になるだろう。さまざまな試練が待ち受けているだろうが、くじけず挑戦し乗り越えて行ってほしい。樹木が芽生え、草が萌え、桜が咲き、新しい門出の讃歌を奏でている。
折りしも、プロ野球が開幕し、贔屓チームの動きに一喜一憂するシーズンが始まったが、今年はメジャーリーグの日本選手の活躍ぶりも気にかかる。タイガースファンとしては井川の活躍を期待しているが、きっと期待に応えてくれると信じている。
さて、非鉄金属の価格の衰えを知らぬ堅調ぶりが今年に入っても続いている。LMEの在庫水準が徐々に増加して来ているにも拘らず、相場の動きは強い。商品フアンドの影響が大きいのだろうか。全く迷惑な話なのだが、フアンド資金を支える日本の低金利が元凶だとなれば、参議院選挙がすまないと次の金利引き上げもないだろうし、まだ暫くはどうにもならないのかも知れない。
 アルミもNSPが30円/㎏上がり,製品価格はメーカーのロールマージンUPも加わり、価格改定をお願いせざるを得なくなっている。本当に難儀なことで、一日も早く適正な水準に戻ることを祈るばかりである。

平成19年3月1日号

第315号

 弥生3月、この4文字を口にする。待ちかねた春の息吹を感じ、澄みわたった空、満開の菜の花、暖かな風、蝶の舞い、小川のせせらぎなどが浮かんできて、嬉しくなってくる。今年は暖冬だったこともあって、冬から春へのメリハリが薄いかもしれないが、やはり春は新鮮な気分の横溢する素敵な季節である。
 プロ野球のオープン戦も本格的に始まり、大相撲大阪春場所、甲子園選抜高校野球と続いて行く。連日、メジャーへ移籍した松坂や井川のキャンプ情報が放映されているが、期待通り活躍してくれれば、若い球児たちにも好い刺激になるだろうし、日本のプロ野球界の活性化にも繋がるのではないだろうか。
 関西テレビのデーター捏造放送が槍玉にあがっている。今回は納豆だったが、ココアもあった。番組を見た人が一斉に買い求め、店頭から商品が消えてしまうほど、敏感な反応があったが、実に愚かで恥ずかしい現象である。ここには新聞やテレビは決して虚偽の報道をしないという思い込みがあって、鵜呑みに信用する構造が見える。本や雑誌などの印刷物などにも作為に満ちたものがあり、商品の宣伝用印刷物にも有名人や学者の推薦による箔付けなど、信者獲得のノウハウがふんだんに駆使されている。
 ここで一番肝要なことは、真実かどうかを見極める、情報を受け取る側の知恵ではなかろうか。本当だろうか?騙されないぞ、よくよく思考し知恵を磨くことが大切だと思うのである。統計もデーターの取り方が時代の変化を無視しておれば、実態と離れた資料になるし、世論調査も設問の作り方で異なった数値になるから、やはり鵜呑みには出来ない。安倍内閣支持率の調査も新聞社の数値は様々であった。
昨今はネット社会の普及により、情報伝達の手段も多様化しており、新しいビジネスも増えてきている。私の知人にも〇〇〇ワールドと名付けたネット上のコミュニティスペースを作り商品販売に成功している人がいるが、アナログ時代に育った私はタダタダ感心するばかりである。情報の発達のお蔭で、今まで知らなかったことを知って恩恵を受ける人が増えているのも確かだろう。
 人を騙すのは悪いことだが、騙される、されないはその人次第、お互いに騙されないよう気をつけましょう。

平成19年2月1日号

第314号

 大寒とは思えぬ春のような日和が続いている。故郷福井も今年は雪が積もっていない。そこで生活するものにとっては除雪の労苦がまぬかれた今年の冬は助かるという思いであるが、一方、暖冬に泣いてる人もいるだろう。暖冬の根因はエルニーニョと聞くが、南米大陸西岸沖の海水温度の上昇がインドネシアやオーストラリアに旱魃の被害を齎しているのは判るが、それが北半球のほうにまで影響しているメカニズムが今ひとつわからない。しかし、一つの球体、この地球が温暖化に直面していることは明らかであり、温暖化を抑制する対策を講じていくことが急がれるに拘わらず、いまだに温暖化ガスの排出は増え続け、寒波と熱波、洪水と干ばつが各地を襲い、台風やハリケーンが大型化している。10年前温暖化対策の一歩として京都議定書が作成されたが、国益をたてに反対する米国、途上国の成長する権利を主張して化石燃料を大量に消費する中国、それらの国にも異常気象の脅威は容赦なく襲い掛かる。ガス排出権の売買をビジネスの材料にしているが、後進国への援助にはなるが、温暖化対策の本質からはまったく外れている。地球破滅の危機を救うには先進国がエゴを捨て、強いリーダーシップをとらなければならない。わけても米国の責任は重大であるが、そのリーダーである大統領にとって温暖化対策は瑣末なことなのかもしれない。
 核問題が北朝鮮、イランなどの国をめぐり干渉されているが、インドは認められ何故我々には認めないのか納得いかぬと抵抗を受けている。持っている国が持つなと強要する矛盾がある限り、力でねじ伏せるだけで、根本的な解決にはならない。自国の安全だけを考える国に地球を守るリーダーの資格は無いと言うのは言い過ぎだろうか。

平成19年1月5日号

第313号

 新年明けましておめでとうございます。旧年中は格別のご愛顧を賜りまことにありがとうございました。本年も倍旧のお引き立てを賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
本年は丁亥(ひのと、い)の年であります。『丁』(ひのと)はこれまでの陽気がピークを迎える様子を表し、『亥』は植物が実となってエネルギーを凝縮蓄積している状態を表すと言われ、この字義から今年はそんなに悪くない年になりそうな感じがいたします。日本の景気は輸出、資源価格の二つの外部環境が数10年ぶりに大幅に上振れした影響が大きく、いざなぎ景気(57ヶ月)を超えていますが、内需は景気を刺激するほど活発でないので、景気の転換点は輸出と資源価格の動向に関わって来ると思われます。
 昨年に引き続き本年もM&Aや三角合併などによる企業統合が国の壁を越えて、増加すると考えられ、規模のメリットを活かした経営戦略による激しい競争が繰り広げられるでしょう。巨大企業による川上の寡占化は必定川中、川下の商品の需給状態を踏まえ、自在に生産調整を行い、価格の維持を図ることが可能になり、その力は川中、川下へ波及し、調達選択肢の自由度に制約が及んで来ています。鉄鉱石、銅鉱石の契約も鉱山会社のペースで買手は飲まざるを得なくなっています。それが鉄鋼製品や伸銅品に波及していくのは必定でありましょう。
 建設、建築の業界は本年も需要の伸びは見込めず、厳しい環境が続きます。旧態依然の経営での存続はなかなか難しく時代の変化に対応した改革が必至であります。中古住宅を仕入れ、改装リフレッシュして販売するビジネスが伸びていますが、ニーズを掘り起こして新しいビジネスにしている一つの例であります。価格競争の中に埋没していては明日がありません。そこから抜け出るための工夫、創意が大切になってきました。
 亥年は1995年の阪神大震災、1971年の伊勢湾台風、1923年の関東大震災など、大きな災害が日本列島を襲っています。地球温暖化による異常気象も加わり、いつ何が身辺に起きるや知れません。不時に備えた用意を怠らず、何事もなきよう無事平穏を祈るばかりです。
 最後になりましたが、皆様に今年が良き年となられますよう心よりお祈り申し上げます。