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平成25年12月2日号

第396号

 月日のたつ速さを改めて思う12月、2013年も残り僅かになりました。アベノミクスで株価が上昇し、2020年の東京オリンピック開催が決定するなど明るいニュースがありましたが、台風26号による伊豆大島の災害、30号台風によるフィリピンレィテ島の高潮災害など自然の猛威に多くの人命が奪われました。人口増とエネルギー消費増が自然の秩序やバランスを壊している証を見ているのでしょうか。
 7月の参議院選挙で衆参のねじれが解消し政策の実行がスピードアップするのも景気回復にプラスになると期待されますが、機密保護法案が十分な審議もなしに決められたのはスピード違反もいいところで、ねじれがないゆえ起こる弊害であります。
 2014年4月から消費税が3%上がり8%になりますが、景気に与える影響が気にかかります。5から10へアップするのでなく、ワンステップ踏むことで心理的なショックはやわらかく、消費動向が急に冷え込むことはなさそうです。建設関係も民需の落ち込みを官需がカバーして無難に推移すると思います。極めて緩やかな景気回復の足取りですが、2014年に腰折れせず、持続していってほしいものです。
 最後に、皆様より賜りましたご愛顧に、心より厚く御礼申し上げますとともに、明年も変わらぬご鞭撻とご指導を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

平成25年11月1日号

第395号

 今年も金木犀が昨年と同じようにほのかな芳香が薄れて、10日ほどしてから、しっかり香り始め2番煎じの茶のように濃い香りでした。
 月日のたつのはほんに早いもので、今年も余すところ二ヶ月になりました。おせち料理の予約を取る広告がたくさん出揃いピンからキリまで賑やかです。おせち料理をつくる家庭が少なくなってきており、作っても品数を絞って出来合いを求める家庭が増えて来ているので、売り込みも力が入り年々早くなってきているようです。縁起物の食材が彩りも美しく詰められた重箱、祝い箸をもってなにからいただこうかと、しばし目が宙を舞います。
 和食が世界文化遺産になるような話を聞きますが、私たちの祖先は、平素は粗末な食事でも祭りの時はご馳走を作り親戚を呼んだり、特にお正月の三が日は格別で、暮れの早くから、食材を仕込み、数の子や棒鱈は戻すため時間をかけ、黒豆、田作り、昆布巻き、煮しめ、などなどたくさんのご馳走を作りました。不意の客にも戸惑いなく接待できるようにして正月を迎えたものです。主婦は大変でした。晦日から大晦日にかけて不眠不休、三が日は年始にこられる方の接待、忙しく疲れた体を癒すため小正月(1月15日前後3日間)に休みを取って実家に帰らしてもらう別名女正月と言う風習がありました。伝統的なおせち料理を作らなくなった家庭が増えて、出来合いのおせち料理が大晦日に配達されます。和食の文化が家庭から消えつつあるように思わないでもありません。私の家では家内が黒豆と棒だらを必ず作ってくれます。糸こんにゃくの入った棒鱈は大好物でこれをいただきますと母を思い出します。

平成25年10月1日号

第394号

 京都、滋賀、福井の3県に特別警報が発令された18号台風は河川の氾濫、土砂崩れ、家屋の浸水など広範囲に被害が及んだ。阪奈道路も土砂崩れがあり10日間ほど通行止めになった。交通量の多い道路だが、幸い通行の車が巻き込まれることがなく、土砂も人家の手前で止まったので助かった。
 台風一過の後は、すっかり秋らしい爽やかな日和が続き、中秋の名月は久しぶりに透き通るような美しさを見せ、畔の彼岸花も青空に映えて田畑を装い、四季が移ろう自然の恵みをしみじみ感じる。煤煙が空を覆いマスクをしないと歩けない北京の市民と違い、抜けるような青空のもと爽やかな風を胸いっぱい吸える私たちは幸せである。
 しかし、感謝の念は一方で、今なお原発のメルトダウンのため退去を強いられ避難生活を続けざるを得ない方たちの苦渋に思いが行く。放射能は煤煙よりもっと恐ろしい汚染物だが目に見えない。空気は澄んでいても、すすきが風にそよぎ彼岸花が咲いていても、そこは生物の生存を拒否する場所になっている。汚染水を溜め込んでいるタンクの漏水、地下汚染水の海への流出など、実態が正確に把握されていないので、オリンピック招聘デモンストレーションにおいて安倍首相が完全なコントロール下にあると大見得を切ったが、とても信じられない。
 経験したことのない自然の猛威が発生し、大災害に見舞われるリスクが高まってきている。地震、火山大噴火、台風、大洪水、核爆発何が起こるかわからない。これらの中で核爆発は人智が危険性を除去できる唯一のものであり、原爆に遭い、原発事故にもあった日本はその廃絶に向かって、リーダーシップをとる使命があると言えないだろうか。原発廃絶運動を左翼の、あるいはヒステリックな一部の人の運動だと対岸の火事を見るがごとく無関心でいてはいけないと思う。

平成25年9月2日号

第393号

 いやはや、今年の夏は特別でした。41℃の四万十市、連続猛暑日17日の大阪市など記録詰めの猛暑、片や1日の降水量413,5ミリ島根県江津市や、津和野市の1時間降水量91,5ミリの豪雨被害など、記録的な気象現象が列島を覆い日照り、水不足、洪水、土砂崩れなどの被害が数多く発生しました。漸く秋の気配が濃くなり始め、やれやれと言う思いをいたしますが、季節の変わり目は油断大敵、慎重に体調管理に十分気をつけられますようお願いいたします。災害を蒙られた方々には心よりお見舞い申し上げます。
 関東大地震から90年、あらためて『防災の日』を迎え、不時の備えを点検してみた。60リットルのポリタンク、懐中電灯、救護備品、ガスコンロとガスボンベ、携帯ラジオ、などなど、18年前の阪神大震災後に用意したものを含め実際に活用する機会に幸いにも恵まれていない。従っていつも置いてある場所はバラバラである。物置メーカーが防災グッズをまとめて保管する広告を見て、地震で倒壊した家の中のものを取り出せなければ備えが出来てないのと一緒だ。その点屋外においてある物置の戸が開かない確率は低い。今の状態だと備えをしていないのと一緒だ。早速物置を整理し3分の1くらいスペースを空けてまとめることにした。実際に役立つ日が来たら大変であるが、まとめて置いておけば見る機会も今までより増え、不時に備える心構えが失せずに済み一石二鳥であると思っている。 

平成25年8月1日号

第392号

 49代表が出揃い今月8日全国高校野球選手権大会が始まる。今年は初出場校が10校あり近畿地区では滋賀県の彦根東、兵庫県の西脇工、奈良県の桜井の3校の公立高校が出場の栄冠を獲得した。新鮮な顔ぶれが嬉しい。今大会から準決勝戦の前に1日休みが取られることになった。決勝戦を戦う2チームの片方に3連戦のハンデがあったが、それがなくなるのは良い事だと思う。今年も観戦が愉しみである。
 4年前の8月、衆議院選挙があり民主党が大勝利を得て、与野党が逆転、国民は改革の中身に期待を持ったが、寄り合い所帯の足の引っ張りあい、まとまりの悪さで内部崩壊を起こし、とうとう先月の参議院選挙で大敗北を喫した。二大政党の構図は一大与党と無数の野党に変わり、与党の独断専行を阻止できるか心配な状態になってきた。
 原子力発電の再起動を目的にした調査や検討会が開かれている。発電コストその他諸々の要因で原発を捨てきれぬ部分もあるように思えるが、しかし、日本のように地震の多い国の場合は、今朝の新聞で報じられた汚染水漏れの放置の話ではないが、福島と同じ事を繰り返さないため、原発に見切りをつけるべきではないだろうか。戦争で被爆の体験をし,地震で原発のメルトダウンを経験した。我々日本人は世界で唯一放射能の脅威を体験している。これからもう無いと言えない上に、原発が存在する以上、地震国日本では必ず起こると考えねばならない。現政権が過去推進してきた政策を否定することは自己否定であり厳しいが、蛮勇を奮って重い決断をして欲しいものである。

平成25年7月1日号

第391号

 早いものでもう1年の半分が過ぎ、残りの後半が始まる。今は梅雨の最中で明けたら盛夏に入るが、しばらく蒸し暑さに付き合わねばならないと想うだけで体がだるくなってくる。
 参議院選挙の公示日が4日に、投票日が21日に決まった。242人の半分121人(地方区73名全国区48名)が選出される。比例代表が11のブロックになる衆議院選挙と異なり全国統一である事、任期が6年と衆議院より2年長い事などの違いがある。2007年7月選挙で自民党が大敗してから、衆議院が多数を占める与党と異なり、野党が過半数を占めることになったため、ねじれ国会と言われるようになり、参議院が否決した場合衆議院に差し戻され再審議しなければならないため、国会の運営がスムースにいかなくなっていた。今回の選挙は民主党が瓦解し自民党の圧勝が見込まれるので、ねじれは解消するが、安倍政権が続き右傾化が進み、憲法改正、近隣諸国との摩擦、など騒々しくなるのではと懸念される。ねじれのほうが二院制のもつチェック機能が働き良かったなどと言われることのないよう独断専行を慎んでもらいたいものである。
 6月は銅価格が大幅に値下がりいたしました。中国経済の影響によると考えられ、金地金やその他の非鉄金属もなべて下がっています。銅の年間消費量は2000万トン、その4割の800万トンを消費する中国の景気動向が市況に大きな影響を及ぼすのは当然です。

平成25年6月3日号

第390号

 西日本は平年より10日ほど早く入梅した。じめじめした蒸し暑い季節に入ったが、今週は前線が下がり梅雨も一服、晴れのさわやかな日が続くらしい。
 プロ野球のセパ交流戦も後半に入り連日熱戦が繰り広げられているが、今年もパリーグのチームが総じて強い。昔から人気のセ、実力のパと言われてきたが、2005年から始まった交流戦の優勝チームは去年のジャイアンツ以外はパリーグのチームが占めている。今年も成績の上位はパのチームが独占している。確かにパリーグのチームは地力がある。どうしてだろうか。色んな考えがあるだろうが、1949年2リーグに分裂したとき、巨人や阪神、中日がセリーグに固まったことが大きく影響していると思われる。若い方々には楽天が誕生したときのことを思い浮かべてもらえば理解できようが、新しいチームが伍して戦える戦力をつけるにはそれなりの時間を要する。パリーグには南海ホークス、阪急ブレーブスなど歴史のあるチームが入っていたが親会社が電鉄系で地味であり、巨人の親会社は読売新聞で、新聞電波など全国ネットで展開するため知名度が高く、ファンの厚みに雲泥の差が有り、球場の入場者数が鼻から違うのである。球団経営者も選手も人気を高めファンを増やすため様々な努力を重ね、チーム力を上げてきた結果、人気では負けるが実力はパだと皆が認めるところとなった。セに負けてたまるか、気迫と根性で粘り強く力強い野球をする選手が多い。一方、1975年に指名打者制を導入、1985年予告先発を試験的に採り入れ、1994年全試合に導入するなど野球の試合を面白く愉しんでもらうよう工夫し実行している。
 球界の盟主と自負する巨人が強さを保持するため、色んな対策を講じてきたことを私たちは知っている。江川事件などは最たるものである。しかしそんなことで巨人ファンが減ったりしていない。やはり強いことがファンをひきつける。セパリーグが統一球を使うようになったのはごく最近のことで2011年からと知った。両リーグが力を合わせ、冗長な試合を減らし、スピード感を高めるよう工夫し野球界を盛り上げてくれるようエールを送ろう。

平成25年5月7日号

第389号

 大型連休が終わりました。皆さん、じゅうぶんリフレッシュなされたでしょうか。昨年と違いよいお天気の日が多く何処へ出掛けても結構だったと思います。でも今年は偏西風が蛇行していて、その為寒気が列島まで下がってくる影響で、帯広では6日に8年ぶりに3センチの積雪があったそうです。近畿地方でも4月下旬10℃を下回る冷たい風がよく吹きました。炬燵が未だ終われていないご家庭も結構あると思います。
 いろいろな異常がある気象ですが、基本的には地球温暖化がさまざまな異常を齎していると考えられます。近年竜巻が多くなってきているのも海水温度の上昇により水蒸気が増え積乱雲の発生が増えていることによるもので、昨年の5月6日つくば市で大きな強い竜巻が発生したのは記憶に新しいところです。竜巻は台風と違って、前もって予測するのが難しく、局地的で実際に体験した人も稀で、ほとんどの人が知らないのですが、最大瞬間風速は100km以上もあり、巻き上げる力で天空に放り出されてしまうそうです。気象学者の予測ではこれからどんどん増えていくらしく、地震、竜巻、火事、・・・・と心の備えを十分に構えておくことが大切だと思います。
 5月5日、国民栄誉賞授与のセレモニーが後楽園ドームで行われ多くの人がテレビでご覧になられた事と思います。野球界の発展に大きな功績を果たした師弟が一緒に表彰を受けることが出来て本当によかったと思います。松井が高校時代阪神タイガースファンだったのでドラフト制で長島巨人に引っ張られことに、悔しい思いと長島の強運に嫉妬を覚えたことがありましたが、タイガースに入っていたら国民栄誉賞の松井はいなかっただろうとテレビを見ながら思いました。
 5月6日、能見が巨人を4安打に抑え、その上見事なホームラン、私にはゴールデンウィークの掉尾を飾る素敵なゲームでした。

平成25年4月1日号

第388号

 新年度が始まりました。多くの若者が社会人の第1歩を踏み出しました。晴れの門出を祝福し前途に幸多からん事を祈りたいと思います。例年より早い桜の開花、東京はもう葉桜だと聞くから、前線はいまごろ仙台や福島のあたりだろうか。平年ならば20日過ぎになる弘前城の桜も10日過ぎにはや見頃になるのだろうか。旅行社が企画募集する花見ツアーがぴったり満開の見頃にはまらずはずれ、がっかりすることもあるが、花吹雪に出会うのも風流、弘前城の堀を覆う花びらの美しさに出会ったことが思い出される。
 アベノミクスの第1の矢、金融緩和は放たれましたが第2第3の矢はまだ放たれるまでに至りません。期待が先行し株式市場は活況を呈してきましたが、財政政策、成長戦略が呼び水になって、企業の設備投資が増え、雇用や個人消費が回復して来ないと景気回復に至らず、悪いインフレが我々の生活をくるしめるだけに終わりそうな心配があります。円安により輸入に依存するものはずいぶん上がりました。ガソリン、小麦粉など家計を圧迫します。
政府は給料の値上げを民間企業に要請、消費の盛り上がりを図りますが、企業側は賞与のような一時的給与でお茶を濁し、給与のベースアップまで踏み込むところはまだ少ないようです。個人消費が伸び景気を押し上げることは期待できそうにありません。タイミングを失しない次の矢が必須です。

平成25年3月1日号

第387号

 2月は大寒波が北日本を覆い、記録的な積雪が青森、秋田、山形、新潟などに、特に雪深い八甲田山の酸ヶ湯温泉は5メートル50センチとか、これはもう想像を絶する。雪国での生活体験があるので、冬を迎える準備、降り積もる雪の始末、じっと耐えて春を待つ日々の明け暮れなど雪国の暮らしが目に浮かぶ。屋根に積もった雪の重みで鴨居が下がり襖や障子が動かなくなる。屋根の雪下ろしをすると鴨居が戻りスムースに動く。屋根から落とした雪を始末するのも大変な作業で腰や体の節々が痛む。暦の上の春を迎え、早ひと月、春本番はもうすぐだが、雪国の春はまだまだ先のことだ。しかし、厳しい冬を過ごした年ほど春の訪れはまぶしく、嬉しいものだ。
 関西も2~3日前から寒さが緩み、大阪城公園の梅林の開花宣言がようやく出た。平年より20日ほど遅れている。梅は早咲きと遅咲きで一月ぐらいずれがあり、何を基準に決めるのか、知らなかったが、大阪城公園の場合は白加賀と言う標準木を基準にしているとのことである。桜の開花宣言も同様にどの木が咲いたらと、基準になる木が定められて観測されているのだろう。
 東大寺二月堂の修二会が今日から15日間行われる。お水取りの行事として有名であるが、昔から関西ではお水取りが済まないと春は来ないと言われており待ち遠しいが、確かな足取りで春の足音は聞こえ始めている。
 昨年、中央自動車道笹子トンネルで天井板が崩落し多数の死者が出た。それ以降、インフラの老朽化対策の必要性が大きな課題となっている。橋、トンネル、道路、などのメンテナンスが、防災や安全のために必須であり、地震が多い国土では耐震強化とリスクの分散を同時に推進することが必要である。その面から南海トラフ巨大地震が想定される太平洋沿岸軸を補完する日本海国土軸の形成を急がねばならない。予算がない、財源がないで手を拱いているうちにインフラの荒廃はどんどん進む。安倍内閣はアベノミクスの第3弾の成長対策に、インフラ老朽化対策と国土幹線軸の複線化を軸に据え、腰を構えた国土形成を推進して欲しいと期待します。

平成25年2月1日号

第386号

 今年の冬は平年に比べて冷え込みが相当厳しく、雪国の積雪量も平年の倍ぐらいあると聞く。例年であれば2~3輪ほころびている我が家の紅梅も蕾がまだ固く小さい。しかし暦の上では立春が目の前、これから三寒四温の時季に入り春の彼岸に向かって寒さも和らいでいく。節分の日は春を迎える立春の前日に当たるので、1年の災いを払う為の厄落としに『豆まき』が行事として行われ、関西ではこの日、太巻きの丸かぶりを恵方まきと呼び、恵方(今年の恵方は南南東)に向かって目を閉じ無言で願い事を念じながら丸かぶりする。寿司業界のキャンペーンで年々全国に広まって行っているようだ。最近はどうなのかわからないが、豆まきをする節分に、鰯の頭を柊に刺し玄関の軒先につるし鬼がその臭いと柊のとげを嫌がって入ってこないおまじないも良く行われ,夕餉に鰯の煮物が出たものである。鰯の頭は面倒だからされるところも少ないだろう。致し方ないことだが寂しいことである。
 さて、安倍政権がスタートしてから、円安と株高が始まり、景気に動きが出てきた。年央に予定されている参院選挙までこの勢いが盛り上がっていきそうである。石油、非鉄金属など円安の影響が直接反映され昨年末からじり高が続いているが、価格は上がっても需要が落ちてくると業界は厳しい。伸銅業界の生産量はリーマンショック後2割落ち込んだまま戻ってこない。ユーザーが海外へ出て空洞化が進んだため、企業再編などにより企業力を高めていかねば、生き残っていくことは至難だと言えよう。

平成25年1月5日号

第385号

あけましておめでとうございます。
 皆様には本年が良き年となられますよう心よりお祈り申し上げます。           
旧年中は格別のご愛顧を賜り誠にありがとうございました。本年も倍旧のお引き立てを賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
 さて、師走の総選挙で自公連立政権が与党に復帰し、安倍政権が標榜する大胆な金融緩和と財政出動による円高、デフレ脱却を期待し、市場は円安株高トレンドに切り替わった。今年は7月に参議院選挙があり、来年実施予定の消費税増税を踏まえ、景気を刺激する政策が出てくると考えられ、当面この流れは続くものと思われる。新年早々明るい見通しである。が、果たしていかがだろうか。
 円の独歩高とデフレが続く中で、日本の経済を支えてきた物作りは海外へ次々転出し懸念されていた産業の空洞化の現実を我々は、今、目にしている。人口減少と老齢化が進む一方、失業者、生活扶助金受給者が増え、非正規雇用に甘んじざるを得ない低所得者の増加など、貧困層の増加で、一昔言われた総中流化社会の幻は最早消えうせて無い。
 このような姿になってきた日本の再生を図るには円安とインフレ(2~3%)で産業の活性化を図るべしとする新政権に呼応するように市場は動いているが、この傾向を果たして手放しで喜んでいいのだろうか。ご高承のごとく日本の貿易収支は赤字が定着するようになり経常収支も黒字が減り単月で赤字になる月もあることから窺えるように、長く続いてきた円高デフレ時代に日本の経済構造が変わって輸出産業国から輸入超過国になってきたと言える。
 したがって円安ウエルカムと単純に言えなくなっている。株高や軽度のインフレは確かに心地よいが、今、我々にとって急ぐべきことは日本の産業が活性化し、輸出力が高まるような構造改革をなすための経済政策であり、それが政府から迅速に打ち出されることである。 過去、造船、弱電、自動車と輸出商品の柱は時代とともに変遷してきた。これからの時代日本はどのような部門で世界に貢献できるのか、官民力を合わせて開発していかねばならない。今のまま放置すれば、円安インフレは円高デフレより長く我々をさいなむ物になりかねない危険性を持っている。ハイパーインフレと国家財政の破綻である。それを未然に防ぐためにどうするか。大きな問題であり正念場であると思う。安倍丸の確かな舵取りと航海の安全を祈るや切である。